        06.3.30〜4.2 瀬戸内しまなみ海道、神戸六甲山 家族旅行 家族には普段不義理を重ね続けているが、休暇を取得した時ぐらい家族皆でお出かけしないと僕はどこにも行けなく なる。子供時代に家族旅行の思い出が無いというのも寂しいことだろう。 とはいえ皆それぞれの都合と思惑はある。 この2年間は温泉スキーという僕の好みそのものの旅行だったが、今年は妻がどうしてもスキーは嫌だという。高速道 路を１２０ｋｍで平気に飛ばすくせに、スキーは怖いというのが僕には不思議なのだが、とにかく温泉スキーは早々と却 下された。 とはいえディズニーランドやユニバーサルスタジオには絶対行きたくない。普段ゲームに熱中ばかりしている子供たち に旅行先でバーチャル体験をさせたくなかった。 そこで考えたプランは屋久島に縄文杉を見に行くというものだった。ところがこれは飛行機代が高すぎる。ただでさえ 軽油高騰で飛行機代値上がりの時期に家族5人で飛行機に乗るのは、2泊3日の旅行に贅沢すぎる。 こうなると家族旅行のプランニングも山スキーの計画を立てるより難しい。 それでも知恵を絞り、ひねり出した旅行計画が瀬戸内しまなみ海道のサイクリングに、姫路城観光、神戸六甲山の夜 景つきという旅行代理店もかくやと思わせるなかなかの計画だった。 30日木曜日はひたすら急いで仕事をこなす。残っている患者さんには申し訳ないし、いろいろと不安が無いわけでは ないが、ここは大学から派遣されてくる代務医に全てを任せて僕は休暇モードに入ろう。 連絡事項を書いた置手紙を病院に残して、いつもより一足早く帰宅する。首尾よく4時過ぎには家族を愛車に乗せて 家を発つことが出来た。 まずは神戸六甲アイランドのフェリー乗り場へ高速ドライブである。阪神高速で道を間違えないかと緊張したが、無事 船着場に到着。 意外に大きな船だ。2等の雑魚寝に妻は嫌そうだが、これも子供たちには良い経験だ。夜の船内の探検は子供たち には楽しいはずだ。 朝早く今治港に着く。天気が良くて有難い。早速宿泊先のサイクルセンター糸山に向かい自転車を借りた。僕はロー ドレーサー、子供たちはＭＴＢで、妻はママチャリだ。ママチャリで６０ｋｍも走るのは良い根性だと思ったが、慣れてい るママチャリの方が走りやすいらしい。子供たちの身長に合うようにサドル高を調整して8時半にスタートする。うすら寒 いがその分サイクリングには好都合だ。 このしまなみ海道は最西の本四架橋で、高速車道の脇に自転車道が設置されている。世界一贅沢な自転車道だと いう噂もあるが、できているものは有難く利用しよう。 今治―尾道間の自転車完走は素人には苦しいとガイドブックに書いてあるが、そんな事は気にしない。途中で引き返 すなんて甘いことは最初から考えないことにしてスタートする。 さすがに日本で一番有名なサイクリング道路だけあって整備はすばらしかった。後半の向島、因島辺りは商店街の 脇を走らねばならない部分も多かったが、道に迷う心配もあまり無く楽しかった。昼食大休憩も入れ約7時間のサイクリ ングで、スムーズに向島渡船乗り場に着く。最後の尾道大橋はサイクリングに危険という事なので、ここを終点とするの が普通らしい。 ついでに渡船乗り場脇の「男たちの大和」ロケセット現場を見学する。実物大大和を見て子供たちには戦争の無駄さ を知って欲しい。 戦時中に日本海軍は大和級の戦艦（信濃は空母）を3隻作ったのだが、あっという間に多くの人命とともに無駄に沈 められた。当時の乏しい資源でこんな船を作る位だったら、まだ瀬戸内海に本四架橋を3つ作る方がずっとましだ。 最後に一人100円の渡船に乗り尾道駅前の自転車乗り捨て場に向かう。 ここから宿泊先のサイクルセンター糸山に戻るのだが、バスの乗り継ぎや橋上歩行などちょっと面倒だった。糸山に 戻ったのは夕方6時過ぎになった。 子供たちは自転車なんてどうということ無いと言う。いくら走ってもばてないらしい。普段のサッカーでそれなりに体力 もついているのだろう。 確かに長いが、高低差が少ないので距離の割には楽なサイクル道路だと思う。皆元気たっぷりにがんばってくれて良 かった。 4月2日も晴れた。今日は神戸までのドライブである。途中で世界遺産姫路城を見学する。この城は戦災による爆撃 を逃れて残った由緒ある本物のお城なのだが、中身は大分補修されしっかり観光用お城になっていた。 神戸六甲山観光は今回の旅行後半の目玉だ。まずは六甲山牧場で動物と遊ぶ。夜はガーデンテラスの夜景を楽し んだ。幸運にも天気は良い。六甲山から神戸の夜景は一見の価値ある美しさだ。夕食のジンギスカンは高くついたが、 年一度の贅沢ならば許されるだろう。 翌日最終日は朝から雨となった。六甲山はガスで何も見えない。僕は引き続く山スキー行が気になりだした。妻もい ろいろ家に残してきた仕事で忙しいらしい。 雨を言い訳にして、神戸観光もそこそこに高山までまっすぐ戻ることにした。   |